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【代表インタビュー:前編】次世代が希望を持ち輝ける日本へ~“お役立ち”から生まれる絆と幸せの拡がり~

2022.12.26


“渋谷の町の文房具屋さん”としてスタートをした山崎文栄堂は、2020年に創業100周年を迎えました。

しかし長い歴史の中で、会社の存続の危機にさらされたことも。

困難や様々な出来事を経て、ビジョンとしたのは「幸せを創り拡げていく」こと。

お客様はもちろん、地域や社会にも寄り添う「お役立ち」に力を尽くす中、三代目の代表取締役社長・山崎登氏が繰り返すのは「感謝」というキーワードでした。

この記事ではインタビューの前編をお送りいたします。



私たちが何かものを買ったりサービスを利用したりする際に、直接お店まで行かずとも手に入れられる、便利な世の中になりました。
ものを買うだけでなく、地域のコミュニティや商人同士の助け合いの姿がみられていた、日本の姿はいつの間にか、奪われ忘れられたようにも感じます。
人と人の繋がりが希薄になってきている昨今の日本の光景。
地域貢献を一番に考える創業者から想いを引き継ぎ、二代目、そして三代目の現・代表取締役社長である山崎の代になる頃には、時代が大きく変化していました。
その影響もあり、お店の売上は年々減少し、倒産の危機に追い込まれる事態となったのです。
この時代の変化に合わせ同社では、1995年、アスクル正規代理店としての事業をスタートしました。

競争経営で“ライバルに勝つ”ことが全てだった
渋谷中の会社に飛び込み訪問をし、常に数字を追いかける毎日。
全国トップクラスのエージェントとして数多くの法人・企業と取引をするまでに発展した山崎文栄堂でしたが、その時に笑顔でいられた社員は誰一人いなかったそうです。
「営業はラットレース」だと、山崎社長は言います。
「これはいつまで続くの?疲れていても走り続けてるのに、前進できていないんですよね」
離職率も当時80%、社内の雰囲気も悪く“頑張ったのに誰も幸せになれていない”現実に、この状況をなんとか変えなければならないと、強く感じたのです。
そんな中で、とある人との出会いから心の仕組みを学び、多くの経験を得たという山崎社長。
競争経営から「ありがとうが生まれる」志(こころざし)経営へ。
そして「幸せを創り拡げていく」ビジョンが掲げられた、大きな転換期となりました。


目標に向かって走り続けることから「喜ばれているという実感」へ
売上を取りに行く、何件成約したかという“成果”ではなく“お役立ち”に変化したことで、お客様のほうから求められるようになったといいます。
「友達が困ってたら、助けるし、悩みを聞いたり一緒に何かをしてあげますよね。営業というよりは、このようなスタンスに最も近いんだと思います。文房具屋さんなので、オフィス用品や家具商品の提供が基本です。ですが今はお役立ちをしてサポートをすることが、最も事業として伸びていて、更に発展していくであろうと考えています」
山崎文栄堂のお役立ち営業は、社員それぞれの強みを活かし、その強みを持って会社訪問をし中小企業のサポートをしていくというもの。
「弊社には経理が数名いて、その経験や知識を持って会社を訪問させていただくんです。そこにある仕事をしたり、決まっている仕事を手伝うといったような派遣ではなく、その会社ができるように数か月間サポートをしていくという立場ですね。自分であれば経営においての数字のこと、銀行訪問に同行することで、その会社は銀行との交渉ができるようになります。一社でできること、一人でできることには苦手や限界があり、助け合ったらうまくいくのは社内だけではありません。中小企業それぞれに違ったリソースがあって、お互いにそれを出し合うことで、鉄板になっていくんです」
お役立ちでサポートしている会社も様々で、商社・IT・製造業・介護・清掃・税理士事務所など、幅広い業種の会社へ訪問をしています。

ありがとうと言ってもらえたらマル
お役立ちを通して、多くのお客様から感謝の言葉がもらえるようになったといいます。
「『ありがとう』の言葉だけではなく、来てもらったその時間までもが良かったと言っていただいているんです。以前、お客様の元へ訪問した際に八和華(やわか)(※1)のゆりを持って行ったことがあって。喜んでもらいたい気持ちが届いて、こちらも嬉しくなりました。売上とは直接の関係がないことでも、常に“喜ばれることはなんだろう”とみんなで話しをしながらやっているので、通常の営業と比べて、なんのためにやるかの意図が違うんだと思います」
このように“お役立ち”として日々やっていると、お客様のほうから取引をしたいと声を掛けていただけるようになったといいます。
昨年は営業活動をしない状態で一年で2,070社のお客様とのご縁が生まれたそうです。
「ありがとうをたくさん言うことも大事。でも、言われることって実は難しいんです」
誰かに何かをすることが、巡りめぐって会社が良くなっていく。
そこには、山崎社長をはじめ社員一人ひとりの「志」がありました。
(※1)山崎文栄堂が参画している社会貢献チーム「ヒーローズクラブ」の仲間と取り組む農業支援のひとつ。ゆり農家さんから、市場価格の倍の価格でお花を購入し、大切なお客様にお裾分けする取組み。

楽しさの概念の変化は働き方そのものの変化
会社の中にいると、自分の意見が取り入れられない、通用しないというのはピラミッド型の組織ではよくあることです。
以前は、自分一人が楽しいかどうかが、楽しさの中にあったかもしれないと話す山崎社長。
ぶれない志や想いを社員に伝えることで、目指しているものが全員共通するといいます。
お客様のお役に立ち、感謝してもらうことを楽しみ、みんなで共に成長していくこと。
「私自身、以前はめちゃめちゃテンションを上げて仕事をしていたんです。だって売上を上げるには、元気を出さないといけないから。でも、元気を出し続けると、枯渇して疲れてくるんですよね。今思えば、力んでいたんだと思います。今では、テンションの上がり下がりもなく、自然で循環している感じですね。」
働き方そのものの変化を感じられるのは、自分自身が楽しんだり、仕事に対しての喜びを感じられているからこそ。
根底にある志が統一されていることで、社内の雰囲気も働く人たちも、良い状態でいられることが分かります。

お役立ちをすることで、人を包み込むような優しさ・強さが大きくなっていく
表面的に働いたり会話をしたり、自分をひけらかすために大きくみせたり。
自分の成果を出さなきゃいけないという考え方から「お役立ち」に変わっていくと、親しみや絆、また会いたいという気持ちが生まれてくるといいます。
「普通だったら『あの会社と付き合っている』という話しになるのでしょうけど、あの会社の『〇〇さん』っていう、人と人との繋がりになるんですよね。働いている側もただのコマじゃなくて、自分そのものが繋がっている、見てもらっているという気持ちが湧くんです。営業だから売ればいい、そのために趣味を聞くとか共感をするとか、そんなことは友達や大切な人にはしないでしょう。この感覚はお客様に対しても一緒です。」
お付き合いのあるお客様である多くの社長からも、それぞれの社員がご指名を受けて対応することもよくあるそう。
ただ単にものを売ればいいという営業ではなく、人柄で信頼や感謝を寄せられる。
だからこそ、もっと喜ばせたいという思いが、良い循環となっていくのでしょう。


インタビューの後編はこちら

山崎文栄堂では通年にわたり、共にチャレンジする仲間を募集しています。
メイン事業は、事務用品の通信販売をおこなうアスクルの代理店事業。
そのほか、オフィス環境全体のサポートや教育事業など、枠にとらわれない幅広いサービスを提供しています。
主なお仕事は既存のお客様との関係性を築いていく営業職ですが、山崎文栄堂には、ひとつのことにとらわれず、その人らしさを尊重し、チャレンジと成長をし続けられる環境があります。同じ想いでお仕事したいと思っていただける方のご応募、心よりお待ちしています。


インタビュー記事執筆:りぶにこるさん
☆丁寧なヒアリングと記事をありがとうございました!☆